味覚で世界を感じてみない? T-GALの国際理解教室
夫の仕事の都合で海外生活を経験した女性たちが、海外での体験を国際理解に役立てようと活動を続けている。なかでも好評なのが、食べ物から伝える世界の暮らし。現地で教わった料理などを地域のイベント等でふるまっている。
地域での活動のひとつ、横浜市青葉区の横浜市立市ヶ尾中学校の「わくわく交流会」で開く国際理解教室は、今年で9年になる。取材日のこの日は、アメリカ、イギリス、シンガポール、カナダ、エジプトの5カ国に滞在経験のあるTーGALメンバーが、地図や写真、通貨、衣装などを使って各国事情を話した。
試食の時間には、その日の朝手作りしてきたエジプトのモロヘイヤスープやシンガポールの焼きそば、イギリスのコテッジパイ、また日本にも輸入されているお菓子などを生徒たちに味見してもらった。材料は日本の輸入食品を売っているスーパーなどを利用して集めたもの。先生たちや学校の広報委員のお母さんたちも試食し「おいしい。どうやって作るんですか?」と次々と質問が。とりわけモロヘイヤスープは好評だった。
その後のパネルトークでは各国の飲み水、食用肉、買い物の仕方、消費税についてなど主婦ならではの視点で話を進めた。日本の飲み水が世界で一番安心安全という話や、日本人の家庭料理は世界各国の料理をたくさん取り入れていることに驚かれたという話などなど。海外で生活した経験があるからこそわかる日本の食生活の特徴などに生徒たちは聞き入っていた。
授業の最後には「英語を話せることで世界が広がります。中学校で習う英語で十分生活できます。だから英語をがんばってくださいね」と語りかけた。現在メンバーは約20名。食べ物や海外生活について以外にも、子育て・帰国生・海外の医療・人権・学校と地域との協働などのテーマで講演や出版を行うなど、活動の幅は広い。
(2013年9月 横浜市立市ヶ尾中にてレポート)
おまちかねの試食タイム
試食についての質問が多いため、会員からレシピを集めて冊子にしようと考えている。
授業風景
エジプトの写真を見せながら、宗教と食べ物の関係についても話をする。海外のスーパーのチラシなども持参。インターネットでも手に入りにくい情報に、皆、興味津々。