交流会「食の学び場」レポート
「土産土法」のみそまんじゅう店開業物語


2013年5月15日(水) 10:30~13:00
会場:みんなのキッチン
ゲスト:「おやつ工房 麻の葉」代表の石井麻里さん

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家族の健康を守るためにたどりついた「土産土法」

味噌まんじゅう店開業について語る石井さん以前は三味線奏者として忙しく働いていた石井さん。そのころは不規則な生活で、忙しさのあまり外食の多い毎日だったそうです。「結婚して子どもが生まれてからも変わらずに、好きなものを好きなだけ食べていました」と石井さん。

しかし、その後生まれた二人の娘さんに病気があることがわかり「このままではいけない」と食生活を見直す決心をします。自らさまざまな食に関する健康法を体験したり、話を聞いたりするうちに「うちの家族には腸の健康維持が一番なのでは」と思い、発酵食品に注目するように。

石井さんがその土地のものをその土地の方法で食べる「土産土法」の大切さに目覚めた話に、みなさん興味津津で聞き入りました。

大豆の加工所がいつのまにかおまんじゅう屋に!?

大豆の缶詰「津久井大豆」は在来種で、昔から綾瀬の地域で作られていました。しかし、他の品種に押され今ではほとんど作られなくなってしまい「幻の大豆」とまで呼ばれるように。しかし石井さんは「地元のものを食べたい」という思いから、自ら栽培し、味噌やテンぺなどの発酵食品として使っています。

農業経験ゼロの石井さんが大豆つくりに奮闘するのを見て、地元の人たちはとても親切に手を差し伸べてくれたそう。大豆作りをする中で「インドネシアの大豆加工食品である「テンぺ」を作ってみたら?」とすすめられました。「大豆は体を冷やしますが発酵させれば大丈夫なんです。そして良質のたんぱく質を得られます。テンぺのことを知ってこれだ、と思いました」

綾瀬市内の元クリーニング店だった場所を借り、大豆の加工所を作ろうとした石井さんでしたが、その場所を貸してくれている社長さんがあれよあれよという間に、お店が開けるようなつくりになっていったそうです。「私自身はお店を開こうという予定はなかったんですが、もうそう動かなくてはならない状況になってしまって(笑)」

発酵食品のランチ&幻の大豆を試食

発酵食ランチ調理担当の波多野さん

何事にも前向きでパワフルな石井さんの話で元気をもらい、さらにおいしいランチをいただき体の中からパワーアップ。

この日は発酵食品を使った波多野由紀子さん手作りの料理。きのこの入った味噌味のミートローフ、塩麹入りの生姜ご飯など心のこもったランチに石井さんも「おいしい!」と参加者のみなさんと一緒に食事を楽しみました。

蒸し大豆を取り分け津久井大豆の味を知って欲しいと、石井さん自らランチプレートに缶詰の蒸し大豆を配ってくれました!ふっくらとして、甘みがあって本当においしかったです。

手作りにこだわったみそまんじゅうに舌鼓♪

味噌まんじゅう「毎日食べてもあきないおまんじゅう」を目指して、味噌を発酵させる麹のためのお米から作り、もちろん味噌も津久井大豆から手作りし、神奈川県産の小麦粉、津久井大豆からつくったテンぺ、お砂糖は上白糖ではなく「素焚き糖」を使用した、まさにこだわりの「みそまんじゅう」。
石井さんは朝4時に起きて一日約200個を手作りしているそうです。手間暇かけ、材料にこだわって作った石井さんの思いのこもったおまんじゅう。
みなさん一口ずつゆっくりと味わっていました。